不動明王のお告げ
一人ひとりに伝えられている大切なメッセージ
2020年2月25日(火)、シアトル高野山(Seattle Koyasan Shingon Buddist Temple)へ表敬訪問のために渡米。その時、国際線で乗り合わせた三列前の席に座っていた男性乗客が急死。帰国後、「不動明王のお告げ」を授かるように…
本日のお告げ
本日の不動明王のお告げ
「金剛合掌を結べ、不殺生 不偸盗 不邪淫」
(20230912PM5:21) 十善戒(身業)
本日は、夕方の勤行の時に上記の「不動明王のお告げ」、メッセージを授かりました。
この不動明王のお告げは、悪事に手を染めることなかれ、自分の両手を大切なことに使いなさい、という戒めのような気がしました。
むやみに人を叩いたり、殴ったり、物を壊したり、命を奪ったり、また、物やお金を盗んだり、ふしだらなよからぬ行為をおこなうために、自分の両手を繰り返し使っていると、まるで染料が手に染み込むがごとく、悪が両手、さらには心まで汚します。
したがって、両手でしっかりと強く結ぶ金剛合掌にはとても深い意味が秘められています。
金剛合掌とは
金剛合掌は、密教(秘密仏教)で用いられる基本的な手印です。
仏と衆生の一体感や、仏の加護と智慧を意味し、仏教、特に密教における敬礼法の一つとされています。
左右の掌を合わせて両手の指頭を交差します。
両手の指を互い違いに組み合わせ、右手の親指が最も自分に近いようにします。
金剛合掌の具体的な方法は、以下のとおりです。
(金剛合掌の結び方)
1.胸の前で両手のひらを合わせます。
2.右手の指と左手の指を重ね合わせます。
3.すべて右が上になるよう組み合わせます。
※ 金剛合掌+真言+瞑想=「真言の効果を最大限に発揮させる最強の組み合わせ」
先日は、十善戒の「不妄語(ふもうご)・不綺語(ふきご)・不悪口(ふあっく)」が心の中に鮮明に思い浮かびました。
十善戒とは、十種類の善行を総称した戒めです。
十善業(じゅうぜんごう)、十善道(じゅうぜんどう)ともいいます。
十悪の否定形であらわします。
私たちは、身体(身)、言葉(口)、心(意)の三業(さんごう)でいろいろなものを生み出します。
仏教では人間の行為のすべてを身(行為)、口(言葉)、意(心)の3種に分けて、私たちの「身業・口業・意業」(三業)で、もろもろの悪(十悪)をつくらないことの大切さを説きます。
なぜなら、私たちの日々の言動が業(カルマ)となって、三毒を生み出し、因果応報(善因善果・悪因悪果)によってその報いを必ず受けるからです。
私も、十善戒をお唱えして、「自戒」の大切さをあらためて見つめ直したいと思います。
そして、金剛合掌を結ぶ本当の意味について、さらに深く考えたいと思います。
三毒とは
三毒とは、3つの煩悩(貪瞋痴=三毒)をいいます。
私たちの心を惑わせ、迷わせ、執着させる「欲望、憎しみ、無知」のことです。
あらゆる不幸の原因です。
現在、対人トラブルや人間関係で悩まれている方は、三毒(貪瞋痴)を無毒化するために、日常の生活習慣や、心の持ち方、気持ちの切り替え方(方法)などを見つめ直してみてはいかがでしょうか。
そして、三毒から身を離す「心身の浄化」の実践をおこなうことをご提案します。
例えば、座禅や瞑想、礼拝、読経や真言を唱える、法話を聞く、お寺や神社に参拝する、四国遍路や各霊場を訪れるなどです。
また、瞑想(阿字観・月輪観)や内観、護摩を行じるなど専門的なものもございます。
特に、内観は自分の言動について省(かえり)みる(良し悪しを考える)点が重要です。
もし悪いことをしたと気づいたら、素直にあやまり、謝罪することが大切です。
さらに、日頃の感謝の気持ちを誰かに伝える、お礼の手紙を書くなど素直な気持ちで「ありがとう」を伝えてみることなども「心身の浄化」につながります。
そして、心が静かになったら、お仏壇に向かい金剛合掌を結び、心静かな時間をお過ごしください。
そうすれば、何を悩み、何に苦しみ、何が自分を不幸にしているのか、その原因が見えてくるはずです。
きっと、解決の糸口が見つかりますので、ご自分を大切にし、根気強く最後まであきらめずに頑張ってください。
応援しております。
仏教では、心の安らぎや真の幸福を得るために三毒(煩悩)を克服することの大切さを説きます。そこで、仏教の三毒について解説し、煩悩の克服方法とは …≫ 詳細ページ(外部リンク)
三毒とは、心の安らぎや真の幸福を妨げる元凶、「貪(とん)・瞋(しん)・痴(ち)」の3種の煩悩(ぼんのう)をいいます。
貪欲(とんよく):欲望にまかせて執着し、むさぼること
瞋恚(しんい):思い通りにならないことに対し怒ること
愚痴(ぐち):物事の道理に暗く、妄念によって迷い苦しむこと
これらの感情や心の状態は、私たちの正しい判断をゆがめ、負の行動や感情を引き起こす原因です。
人々の心を乱し、苦しみや不安を引き起こします。
人の善心を害するので「三不善根」ともいいます。
欲望は執着や不満を生み出し、憎しみは他者への怒りや敵意になります。無知は真実を見失わせます。
例えば、欲望に固執しすぎると不満や焦燥感を感じやすくなります。
欲望が肥大化すると、物質的なものだけでは満足できなくなり、人間関係で相手を精神的に支配したり、思い通りにコントロールしようとする強い感情が芽生えます。
また、憎しみは他者への敵意や怒りとして、暴力的な言動を生じさせ、時に凶悪な犯罪に走らせ、感情のコントロールができなくなります。
そして、この感情が支配すると、心には常に嫉妬や憎悪、苦しみや緊張感が渦巻き、人間関係を損ない、心を暗くします。
以前、ある受刑者の方と対談する機会がありました。
その時、「刑務所は、まさしくこの世の地獄です」という言葉がすべてを語っているように感じました。
話は戻しますが、無知は真実を見失い、誤った判断や行動を導く原因です。無知によって私たちは自分や他者を理解することが難しくなり、誤解が生じる可能性があります。
これら三つの毒から解放されることで、心は平和で善意に満ちた状態におのずと近づきます。
三毒(さんどく)
衆生の善心を害するもっとも根本的な3種の煩悩を毒にたとえたもの。
教学用語としては(三不全根)と呼ばれ、また垢(けがれ)にたとえて三垢(さんく)ともいう。
「三毒」. 中村元.『仏教辞典苑』第 二 版. 岩波書店,2002,p.396.
内観
■ 内観
内観とは、自分の意識やその状態に向き合い、観察することです。
自分の内面を見つめることによって、自己理解が深まり、心理的な変化に気づき、心の成長を促します。
内観の目的は、自己の心や思考、感情、感覚、身体的な感触などを客観的に観察することによって、自己の本質や心の変化やパターン、信念や信条、言動について深い洞察を得ることです。
内観は自己意識を高め、自己の思考や感情に気づき、それらを客観的に受け入れることを通じて、心の安定やバランスを取る手段となり得ます。
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【参考】『高野山大師教会光寿支部』(外部リンク)
内観によって、自分の中に探していた答えがきっと見つかります!
内観しながら、信の炎(信じる力)を燃え上がらせ、不動明王真言「慈救呪」を唱え、自分を鼓舞してみてください。
すると、自己の心の中に巣くうネガティブな考え方や、負の感情が不動明王の力強い炎によって焼尽され、元気、やる気、勇気がみなぎってきます。
不動明王真言「慈救呪」
ノウマクサンマンダ バザラ ダン センダマカロシャダ ソワタヤ
ウンタラタ カンマン
当サイトでもアクセスの多い重要なキーワード(三毒・十善戒など)は、特にリライト記事として加筆・修正して公開しています。(2023/09/12) …≫ 詳細ページ
【参考】『高野山大師教会光寿支部』(外部リンク)