不動明王のお告げ
一人ひとりに伝えられている大切なメッセージ
2020年2月25日(火)、シアトル高野山(Seattle Koyasan Shingon Buddist Temple)へ表敬訪問のために渡米。その時、国際線で乗り合わせた三列前の席に座っていた男性乗客が急死。帰国後、「不動明王のお告げ」を授かるように…
本日のお告げ
本日の不動明王のお告げ
「迷悟我に在れば 発心すれば即ち至る」
(20230920PM4:09) (心経秘鍵)
本日は、夕勤行の時に上記の「不動明王のお告げ」、メッセージを授かりました。
迷悟とは、迷いと悟りです。
まったく正反対のように思えますが、人は迷いがあるからこそ悟りを求め、一生懸命に奮起し、努力(精進)できるのかもしれません。
そして、発心(ほっしん)とは正しい目覚めに向かう心をおこすことです。
そのためには、金剛合掌を結び、真言を唱え、仏を心に思い描きます。
真言の語源はサンスクリット語の「mantra」で、「真実の言葉」という意味です。真言は、仏や菩薩、その教えや誓い、功徳などを秘めています。
代表的なものをいくつかご紹介します。
● 大日如来真言:「オン アビラウンケン バザラ ダトバン」
※ 高野山大師教会光寿支部YouTube動画より
● 不動明王真言:「ノウマクサンマンダ バザラ ダン センダマカロシャダ ソワタヤ ウンタラタ カンマン」
※ 高野山大師教会光寿支部YouTube動画より
●千手観音真言:「オン バザラ ダラマ キリク」
※ 高野山大師教会光寿支部YouTube動画より
四苦八苦(しくはっく)
仏教の四苦八苦とは、人間が生きていく上で必ず経験する苦しみのことです。
四苦は、生苦(しょうく)、老苦(ろうく)、病苦(びょうく)、死苦(しく)の4つです。
八苦は、四苦に、愛別離苦(あいべつりく)、怨憎会苦(おんぞうえく)、求不得苦(ぐふとっく)、五蘊盛苦(ごうんじょうく)の4つを加えたものです。
四苦八苦は、私たちが直面する苦しみを象徴するものであり、誰もが経験します。
例えば、老いる、病気になる、死の恐怖から逃れられない苦しみ。
大切な人との別れの苦しみ(愛別離苦)、この肉体があるがゆえに欲望や執着を生み出す苦しみ(五蘊盛苦)です。
このように、四苦八苦は私たちが生きていく上で、様々な形で現れます。
この世に生きるものなら、誰もが背負う苦しみです。
人の悩みは星の数ほど、私のこれまでの経験上、以下の4つに大別できるように感じます。
それは、対人関係、お金、健康、将来に関する悩みです。
1.対人関係
職場・学校、近隣トラブル、恋愛、お見合い・婚活、結婚相談所や出会い系に関するもの全般。
2.お金
「金融」(住宅ローンやカードローン・キャッシングやクレジットカード)、「保険」(生命保険、がん保険)、「投資」(株式投資・FX・不動産)などに関係するもの全般。
3.健康
病気(がん、内臓疾患、難病など)、怪我や事故の後遺症、トラウマや不眠、不定愁訴、また、薬やサプリメントや健康食品などに関係するもの全般です。
また、健康の延長として「美容」(美容整形・薄毛・化粧品、エステ・痩身やダイエット)に関係するもの全般。
4.将来
「仕事」(転職・就職・求人)、「教育」(進学校・英会話・留学・予備校・資格試験)、「法律」(法律相談・離婚相談)に関係するもの全般
これらはほんの一例です。
私たちが生きることは、苦しみが常に隣り合わせである、といっても過言ではないのかも知れませんね。
真言の効果を高める方法(金剛合掌)
般若心経秘鍵/念持真言
真言は不思議なり 観想読誦すれば無明を除く 一字に千里を含み即身に法如を證す
真言の力は不思議である。ひたすら真言を唱えているだけで苦悩が取り除かれる。
なぜならば、真言一字の中には無数の意味が含まれ、この身に応じて真理が示されるからである。
【真言】. 近藤 堯寛.『空海名言辞典』付・現代語訳. 高野山出版社,2002,p.92.
真言には、大変不思議な力があります。
私も真言の偉大な力によって、これまで困難や苦難を乗り越え、数々の難を逃れてきました。
そして、神仏の天啓、お告げやお導きを授かりました。
こうした真言の効果を高めるためには、やはり真言を毎日継続的に唱えることが重要なポイントです。
短い時間でも構いませんが、毎日コツコツと唱えることで、真言の効果をより強く実感します。
「継続は力なり」と申しますが、真言も同様です。
さらに、真言を唱える時に、金剛合掌を結びおこなってみてください。
右手は仏界を、左手は衆生界を表わします。
二つの世界は、本来一つの世界です。
そして、仏と私たちがいつも一緒であることの証(あかし)が金剛合掌なのです。
ですから、真言を唱える際には感謝の気持ちを忘れずに持つことが大切です。
真言は私たちに多くの恩恵をもたらしますが、その恩恵に感謝することで、より強力な効果を期待できます。
そして、平素から「身口意」の三業を清浄にし、三毒(貪瞋痴)や、三障四魔を近づけないようにすることもお忘れなく。
空海散歩
先日は、本日の不動明王のお告げとして、「一切の衆生の身中にみな仏性あり如来蔵を具せり」(20230909PM4:05) (十住心第八)について書きました。
これは、お大師様の著書『秘密曼荼羅十住心論』(ひみつまんだらじゅうじゅうしんろん)に出てくる御言葉です。
人間の心の発達段階を十の段階に分けて説いています。
『秘密曼荼羅十住心論』(全10巻)
人間精神の発展段階を10に分けて、それぞれの段階を開設した空海の思想の集大成とされる書。
【空海の著作】. 中村 本然.『空海と高野山』真言密教がわかる!. 青春出版社,2012,p.117.
私たちが本来備えている仏性が顕在化していく精神段階を示しています。
以前、出筆にたずさわった『空海散歩』の中で、この十住心論に触れて書きました。
そこで、タイトル『仏性という幸せの種』という法話をこのBLOG用に書きました。
ご一読いただければ幸いです。
仏性という幸せの種
人生には、いろいろな出来事が起こります。
けっして良いことばかりではありません。
何をやってもうまくいかず、イライラしたり、むしゃくしゃしたり、悩んだり、迷ったり、苦しんだりします。
寒風が吹きすさぶ、極寒の中、厚い氷に覆われた凍てつく大地を目の当たりにしたら、私たちは何を感じるでしょうか。
こんな場所に人は住めない、ましてや、草木など生えてこないだろう、と思い込んでしまうのではないでしょうか。
しかし、本当にそうでしょうか。
季節が巡り、やがて春が訪れると、
太陽の光を浴びて、地中から新しい生命が息吹き、躍動し始めます。
これは、太古の昔から連綿と受け継がれてきた大自然の真理、宇宙の法理、つまり「いのち」です。
私たちの中には、このいのちという「仏性」が「幸せの種」が一人ひとりに宿っています。
ですから、三毒(貪瞋痴)によって、自らその「幸せの種」を不浄にし、台無しにしてはいけません。
自暴自棄になり、途中であきらめたり、投げ出したりせず、
心身を清浄に保ち、自他ともの幸せを念じ、心から感謝の気持ちや「ありがとう」の言葉を周りの人たちに伝えていきたいですね。
いつの日か、仏様の光に照らされた私たちの中に宿る「幸せの種」が力強く、大きく、さらに大きく成長し、やがて大輪の花を咲かせます。
合掌 天宮光啓
三毒とは
三毒とは、3つの煩悩(貪瞋痴=三毒)をいいます。
私たちの心を惑わせ、迷わせ、執着させる「欲望、憎しみ、無知」のことです。
あらゆる不幸の原因です。
内観
内観とは、自分の意識やその状態に向き合い、観察することです。
自分の内面を見つめることによって、自己理解が深まり、心理的な変化に気づき、心の成長を促します。
内観の目的は、自己の心や思考、感情、感覚、身体的な感触などを客観的に観察することによって、自己の本質や心の変化やパターン、信念や信条、言動について深い洞察を得ることです。
また、対人トラブルを未然に防いだり、回避したり、解決する方法となります。
内観は自己意識を高め、自己の思考や感情に気づき、それらを客観的に受け入れることを通じて、心の安定やバランスを取る手段です。
…≫ 詳細ページ
【参考】『天宮光啓 瞑想会』(外部リンク)
現在、対人トラブルや人間関係で悩まれている方は、三毒(貪瞋痴)を無毒化するために、日常の生活習慣や、心の持ち方、気持ちの切り替え方(方法)などを見つめ直してみてはいかがでしょうか。
そして、三毒から身を離す「心身の浄化」の実践をおこなうことをご提案します。
例えば、座禅や瞑想、礼拝、読経や真言を唱える、法話を聞く、お寺や神社に参拝する、四国遍路や各霊場を訪れるなどです。
また、瞑想(阿字観・月輪観)や内観、護摩を行じるなど専門的なものもございます。
特に、内観は自分の言動について省(かえり)みる(良し悪しを考える)点が重要です。
https://xn--54q51he1dz5c.jp/blog-naikan-life-changes/
もし悪いことをしたと気づいたら、素直にあやまり、謝罪することが大切です。
さらに、日頃の感謝の気持ちを誰かに伝える、お礼の手紙を書くなど素直な気持ちで「ありがとう」を伝えてみることなども「心身の浄化」につながります。
そして、心が静かになったら、お仏壇に向かい金剛合掌を結び、心静かな時間をお過ごしください。
そうすれば、何を悩み、何に苦しみ、何が自分を不幸にしているのか、その原因が見えてくるはずです。
きっと、解決の糸口が見つかりますので、ご自分を大切にし、根気強く最後まであきらめずに頑張ってください。
応援しております。
三毒とは、心の安らぎや真の幸福を妨げる元凶、「貪(とん)・瞋(しん)・痴(ち)」の3種の煩悩(ぼんのう)をいいます。
貪欲(とんよく):欲望にまかせて執着し、むさぼること
瞋恚(しんい):思い通りにならないことに対し怒ること
愚痴(ぐち):物事の道理に暗く、妄念によって迷い苦しむこと
これらの感情や心の状態は、私たちの正しい判断をゆがめ、負の行動や感情を引き起こす原因です。
人々の心を乱し、苦しみや不安を引き起こします。
人の善心を害するので「三不善根」ともいいます。
欲望は執着や不満を生み出し、憎しみは他者への怒りや敵意になります。無知は真実を見失わせます。
例えば、欲望に固執しすぎると不満や焦燥感を感じやすくなります。
欲望が肥大化すると、物質的なものだけでは満足できなくなり、人間関係で相手を精神的に支配したり、思い通りにコントロールしようとする強い感情が芽生えます。
また、憎しみは他者への敵意や怒りとして、暴力的な言動を生じさせ、時に凶悪な犯罪に走らせ、感情のコントロールができなくなります。
そして、この感情が支配すると、心には常に嫉妬や憎悪、苦しみや緊張感が渦巻き、人間関係を損ない、心を暗くします。
以前、ある受刑者の方と対談する機会がありました。
その時、「刑務所は、まさしくこの世の地獄です」という言葉がすべてを語っているように感じました。
話は戻しますが、無知は真実を見失い、誤った判断や行動を導く原因です。無知によって私たちは自分や他者を理解することが難しくなり、誤解が生じる可能性があります。
これら三つの毒から解放されることで、心は平和で善意に満ちた状態におのずと近づきます。
三毒(さんどく)
衆生の善心を害するもっとも根本的な3種の煩悩を毒にたとえたもの。
教学用語としては(三不全根)と呼ばれ、また垢(けがれ)にたとえて三垢(さんく)ともいう。
「三毒」. 中村元.『仏教辞典苑』第 二 版. 岩波書店,2002,p.396.
内観
■ 内観
内観とは、自分の意識やその状態に向き合い、観察することです。
自分の内面を見つめることによって、自己理解が深まり、心理的な変化に気づき、心の成長を促します。
内観の目的は、自己の心や思考、感情、感覚、身体的な感触などを客観的に観察することによって、自己の本質や心の変化やパターン、信念や信条、言動について深い洞察を得ることです。
内観は自己意識を高め、自己の思考や感情に気づき、それらを客観的に受け入れることを通じて、心の安定やバランスを取る手段となり得ます。
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【参考】『高野山大師教会光寿支部』(外部リンク)
内観によって、自分の中に探していた答えがきっと見つかります!
内観しながら、信の炎(信じる力)を燃え上がらせ、不動明王真言「慈救呪」を唱え、自分を鼓舞してみてください。
すると、自己の心の中に巣くうネガティブな考え方や、負の感情が不動明王の力強い炎によって焼尽され、元気、やる気、勇気がみなぎってきます。
どんな境遇にあっても、幸福に生きる道が必ずある、この大切なことを見失わず、見つけ出す方法、それが内観です。
https://xn--54q51he1dz5c.jp/blog-naikan-life-changes/
不動明王真言「慈救呪」
ノウマクサンマンダ バザラ ダン センダマカロシャダ ソワタヤ
ウンタラタ カンマン
当サイトでもアクセスの多い重要なキーワード(三毒・十善戒など)は、特にリライト記事として加筆・修正して公開しています。(2023/09/18) …≫ 詳細ページ
【参考】『高野山大師教会光寿支部』(外部リンク)