お告げ、天啓
古より諸神仏は、私たち一人ひとりに大切なメッセージ”を伝えいます。
それを「お告げ」、または天から授かる言霊「天啓」です。
けして見逃してはいけません。
密教教主大日如来(不動明王は大日如来の変化した御姿です)は、宇宙の真理そのもの(法身仏)です。
いつも私たちの身近におられます。
不動明王のお告げに学ぶ
これまでチベットをはじめ、インドやネパールなど世界中の仏教や密教聖地を巡礼してきました。
そして、国内でいえば高野山をはじめ、四国霊場や不動明王霊場などもいろいろと。
そこで、本日は以前からよくご質問をいただく「不動明王のお告げ」についてお話ししたいと思います。
不動明王は、激しい忿怒の相を示されていますが、心の安定と成長を象徴する存在として、多くの人々に信仰されています。
不動明王のお告げには、次のような教えが秘められています。
不動の心であれ(不動心)
不動明王は、厳しいいかめしい表情ですが、内面は動じません。私たちはいろいろな出来事に直面しますが、その中で心を揺さぶられてはいけません。不動の心を持つことで、どんな困難な状況でも落ち着いて対応できます。
自己の煩悩と向き合う
不動明王の光背の火炎は、三毒(貪瞋痴)への戒めを表わしています。私たちも自己の中にある執着や煩悩と向き合うことが大切です。そのためには、三学や六波羅蜜、八正道、瞑想や心の整理に有効です。
慈悲と厳しさのバランス
不動明王は、厳しさと慈悲深さを併せ持ちます。これは、人生においても大切な要素です。慈悲深い心で他者を助ける一方で、自らを甘やかさず厳しく接し、成長を促すことが大切です。
困難を乗り越える力を得る
不動明王は、困難な状況を乗り越える力を象徴しています。私たちも困難に立ち向かうために、自らの内なる力を信じることが必要です。自分の可能性を信じることで、困難に打ち克つ勇気が湧いてきます。
「不動明王のお告げ」、それは私たちの日常生活において多くの教えを示してくれます。
心の安定と成長は、豊かな人生をもたらします。
運気を上昇させ、希望の未来を引き寄せます。
ですから、人生という限りある時間を無駄にすることなく、不動明王の教えに素直に耳を傾け、即実践してみることを強くお勧めします。
心を静め(姿勢を正し)、自己を見つめ直し(言動を省みる)、内なる力を信じる(心中に仏を思い描く)ことで、夢や希望、心に描いたことが現実となり、より豊かな人生が築けるようになります。
不動明王のお告げー西に向かえ
以前、お不動様から“西”(西に向かえ)いうお告げを授かりました。
実は、数年前のことですが、シアトル高野山へ向かう国際線で同乗していた男性乗客が急死しました。
その一件から、予知夢や霊夢のようなものを数多く体験するようになりました。
不思議に感じたので、いろいろと調べているうちに、『宿曜経』が深く関係していることが分かりました。
※ お大師様によって唐から我が国に伝えられました。
『宿曜経』(しゅくようきょう)
詳しくは〈文殊師利菩薩及諸仙所説吉凶時日善悪宿曜経〉2巻
8世紀・唐の不空により訳出された密教経典。内容は七曜・十二宮・二十七宿の関係を基礎に、人の生誕の日により、日々の吉凶を占察する方法を説いたもの。
岩波『仏教辞典』第二版より